
悠悠クラブは、2005年10月1日に誕生しました。施設の拠点を決め、法人組織を創り、札幌市への指定申請を提出。 それと同時に、こだわりの床を備えたホールの改修工事をして、必要な備品を揃えました。
職員採用に当たっての条件は、保育士の資格があることで、障がい児への保育経験は不問でした。 障がい児だけが利用するデイサービスでありながら、採用条件を経験不問にしたことには理由があります。 医師でさえ一生出会わないような、何万人に一人という障がいを抱えた子どもがいるなかで、一療育機関が全ての障がいを把握し、 関わっていくことにはそもそも無理があります。
視点を変えて、多くの健常児を毎日見てきた経験者に、クラブの子ども達にもその子ども達と同じように接して欲しかったからです。 そして2歳には2歳児の、3歳には3歳児の、健常児と同じ或いはそれ以上の能力を引き出すには、同じ年齢の子どもとの関わりを十分に経験していることの方が 重要と考えたからです。「できない」様子をたくさん見てきた経験者よりも、「できる」子どもの素晴らしさを実感した経験を多く待つ職員こそ必要と信じていました。 その考え方は、的を得ていたと思います。
毎日の取組みで、一番喜び感動しているのはクラブの職員です。「できない」という先入観は持っていないので、「次に何をしようか・・・。」と、 いつも次への期待ばかりです。ときには、その気持ちが先行しすぎるので、取組みの展開にストップをかけることもしばしばです。 子ども達もまた、その期待に応えるように日に日に成長し、潜在的な能力の高さを痛感します。とにかくたくさんの経験というチャンスを与えることで、 子ども達は水を得た魚のように、生き生きと楽しみながら成長していきます。できることが増えてくると、その達成感から自信がつき、 さらに意欲的に頑張る姿は頼もしいばかりです。人間の可能性は無限だ、と実感する瞬間です。
(悠悠クラブの軌跡<あゆみ>-児童デイサービスにできること そして 挑戦-より)